なぜ「再稼働反対」のシュプレヒコールをする人は叩かれるのか

大飯原発再稼働のデモ(というか威力業務妨害という犯罪)をユーストリームで見ました。そこで人間の盾になってた人や、踊る人を見て何か違和感というか「ズレ」を感じたので筆をとってみます。このデモを見て引いてしまった方も多いでしょうねぇ。。。

その「ズレ」について、子供を盾にしているとか、地元の人に迷惑とか、様々な理由はあるとおもいます。しかし一言で言って、即次原発廃止いいいぃぃぃぃぃ!!と叫ぶ方々はそもそもの主旨が外れているんです。なぜ外れているのか、以下に再稼働した場合とそうでない場合の「リスク」に着目して書いてみました。


1.原発を稼働しない場合
電気代値上げや計画停電の可能性があります。電気代が値上げされると企業を圧迫します。トヨタのように自家発電できる設備を備えるなら良いですが、だいたいの大手は何をするかというと、電気代によるコスト増を下請けの中小企業に転嫁しはじめます。中小企業は電気代値上げと大手からの無理なコスト削減要請というダブルパンチを食らうわけです。また計画停電となった場合、ここでも海外移転できない中小企業が集中的にダメージをうけることになります。どちらにせよ中小企業を圧迫することに変わりはないのですね。ちなみに日本の会社の8割が中小企業。ここが致命的なダメージを受けるとと雇用が減り、消費が減り、さらに経済が停滞します。しかも欧州危機も去ってないというこの現状で。税収も減り、歳入不足分は結局国民に跳ね返ってくるんですね。これをリスクaとします。

【参考】
トヨタ、自家発電比率3割に 夏の電力対策でコージェネ増設 2012/7/3 14:57
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL030BH_T00C12A7000000/

脱原発で日本人は金も命も失う
http://shuchi.php.co.jp/article/1020


次は、原発自体についてです。稼働しなければリスクはがないように見えますが、完全に廃炉に至るまで長期的な管理が必要です。これは稼働しているときと同じくらいコストもリスクもある。これをリスクbとします。


2.原発を再稼働した場合
電力危機はおこらないでしょう。しかし、原発自体に地震が起こった場合のリスクは上記と同じようにあります。もちろん半永久的に放射性廃棄燃料を管理しなければいけないコストも。これをリスクcとします。

どのリスクも相対的に無視できないくらいの大きさのリスクと考えられますよね。

それでは、問題です。
リスクa + リスクb

リスクc
ならばどちらが大きいでしょうか。
リスクb ≒ リスクc
であることを考えれば答えは自明ですね。

(リスクb+放射性廃棄燃料のリスク=リスクc 放射性廃棄燃料管理にはコストがかかりますが、今までの結果から原発そのものの危険性に比べれば低いと考えてます。地下に閉じ込めれば良いだけの話なので)

リスクcを将来的にできるだけ小さくする方向に持っていくのがベストアンサーです。


そのためには具体的な廃炉計画とか、代替エネルギーの開発だとか、そういったものに力を注ぐべきで、即物的に反原発と叫んでも意味がないんですね。本質は「厳罰の再稼働」にあるのではなく、いかに「低リスクに抑えられる社会にできるか」なんです。反原発を叫ぶ人が「足元がしっかりしてない」と言われるのは、具体的な廃炉計画等のプランをもっておらず、極めて非理論的に映るから。また、大飯原発反対運動の場合に限ってですが、メッセージを伝える相手も間違っています。政治家や省庁に訴えるべきなんです。

それに、革マル派とか中核派がゾンビの如く復活してきて入り込んでいるというのが気になります。脱原発を目指す人はこういう怪しい扇動者に騙されないように注意して活動しましょう。しっかし、いわゆる「放射脳」というカルト宗教にハマってしまった人を脱会させるのって大変なんだよなぁ。。。


ではでは。



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