ノルマ制の功罪(1)

今回はインディーズ音楽について避けて通ることのできない「チケットノルマ制」について切り込んで行こうと思います。私も演奏したいがためにバイトに明け暮れ、集客に明け暮れ…していた時期がありました。それでも達成できなかったけど。

さて、
機材揃えてバンド組んでさぁライブ!って時に、バンドが一番苦労することって何でしょう?

答えは「集客」です。

バンドが演奏をするとき、大体はライブハウスとある種の契約を結ぶんです。それがチケットノルマ。
ライブハウス「出させてあげるから◯◯人集めてきてね☆ 集められなかったら自腹よ〜。」
ノルマは1ステージ30分程度の演奏枠として平均2,500円×20枚=40,000円くらいです。この金額は、ライブハウス側の人件費、減価償却費、メンテナンス費、賃料合わせた費用より計算され、損益分岐点よりちょっと上くらいになるような値段設定にされています。

インディーズのバンドは、音楽作って練習してさらに集客までしなきゃならんのです。あらま、そこいらのベンチャー企業よりブラックじゃないの!!

そこで、このノルマ制の功罪をバンド視点で考えてみました。
良い点
・「ライブやるから来てね」とファンと直接交流することができる
・ノルマ以上の枚数をこなすとキックバックが10〜20%程度もらえる(ライブハウスによるが)

悪い点
・ノルマ未達分は自腹(結構痛い)
・ノルマを達成しようと必死になり興味のない友人知人まで電話をかけまくってうざがられる
・営業以外にも仕事、演奏の練習、作曲をしなければならないので超忙しい

ライブハウス視点でも考えてみました。
良い点
・営業はバンドに対してすればよいので楽
・バンドさえ集められれば損は出ない

悪い点
・お客さんが入るかは出演するバンド次第


一見、バンドがライブハウスに頼らず自由に活動できるようなシステムに見えますが…。現状はほとんどのインディーズのバンドはノルマが達成できずに赤字を垂れ流しています。なぜでしょうか。
最大の原因は、ライブをやりたいというバンドと、ライブを見たいというお客さん、ライブハウス、この3者の需給関係が偏っているということなんです。お客さんの数×チケットの価格がライブハウス側が求めているものよりも実際はかなり低いってことなんですね。ライブハウスは集客をバンドまかせにし、幸い(?)なことにバンドの数だけは増えているので、演奏するために多大なお金を払ってお客さんはガラガラという状態が生まれてくるわけです。


次回はこの問題についての解決策を考えていきたいと思います。